妊娠初期から後期の腰痛対策5選について徹底解説

公開日:2020/01/15  最終更新日: 2022/10/01

妊娠中は、胎児の成長も嬉しくなってきますよね。それと同時に女性ホルモンの変化や乱れによって様々な身体のトラブルが起きやすい時期でもあります。その中でも特に多く抱えている1つが腰痛になります。

「妊娠中の腰痛対策を探している」
「妊娠中の腰痛は仕方ないのかなと諦めかけている」

このような悩みを抱えた妊婦さんに向けて記事を書きました。

妊娠中に腰痛が起こるのは何故?

妊娠中に腰痛になりやすい原因は大きく分けると2つになります。

  • ・妊娠中のホルモンの分泌
  • ・お腹が大きくなることによる重心・姿勢の変化

この2つが考えられます。

出産を準備する為に女性ホルモンの分泌により骨盤まわりの筋肉や靭帯・関節を緩ませる作用があるので、通常であれば支えられていた腰椎部分も負担を受けやすくなってしまい痛みを引き起こしやすくなります。

また、徐々にお腹が大きくなることで重心が前に行かないように腰を反らせたりする姿勢に変化しやすくなることがあります。

これら2つが原因となって腰痛を起こす引き金になっていることが多いです。

妊娠初期から中期にかけての腰痛

妊娠初期はまだお腹も大きくないので、重心の変化による腰痛は考えにくいです。しかし妊娠中は出産に向けての準備が胎内で行なわれており、赤ちゃんが産道を通りやすいように骨盤まわりの筋肉や靭帯・関節を緩めていくので腰や背中の筋肉に負担がかかって痛みを引き起こしやすくなります。

妊娠中期は徐々にお腹も大きくなってくるので、重心が前に変化しやすくなります。重心が前に行ったままだとそのまま転んでしまいますが、そうならないよう腰を反らすことで重心を保っていますが、その姿勢が腰の負担を強めてしまいます。

妊娠後期の腰痛

当院でも特に多く来院される方が妊娠後期の腰痛を抱えている妊婦さんです。妊娠中期よりも赤ちゃんの成長によってお腹は出てきますし母体でもある妊婦さんの体重も増加してきます。するとさらに重心が前に変化しやすくなるので、よりバランスを保とうとして腰を反らしてしまい背骨や骨盤まわりに負担を強めていきます。

また、出産も近づいてくることで骨盤内にある「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉が緩むことで腰痛を引き起こすことも考えられます。

妊娠中の腰痛の対策

 

妊娠中の腰痛は「腰への負担を減らす」ことが重要です。特に腰痛を感じていなくても妊娠は予想以上に負担がかかる時期でもあります。特に痛みや体の不調が出ていない場合は尚更気を付けずに普段通りの生活を送りやすいですからね。

では、どのようなことで腰の負担を減らしていくのでしょうか。

正しい姿勢を保つ

正しい姿勢と言っても負担が0になるわけではありません。しかし、負担を減らすことが出来ることは確かです。

正しい姿勢とは人間の背骨のS字カーブを保つという事です。妊娠中は特にお腹が大きくなってくることによって背中を支点に腰を反らす傾向があるため背中や腰の負担は強くなってきます。家事を行う時は自然と前傾姿勢になってしまったり、座る時も背中が丸くなりやすくなります。

正しい姿勢を試すと、慣れていないこともあり正しい姿勢の方が疲れることが多くあります。これは普段使っていない筋肉を使うことが考えられます。そのような場合は長時間同じ姿勢が続いた場合にリセット感覚で取り入れるとスムーズです。

座る時は深めに座って背もたれを使う。その時に膝の角度が90度になるように意識しましょう。また立っている時はアゴを軽く引き、背筋と膝を真っ直ぐに伸ばすようにしましょう。また下腹部とお尻の穴をキュッと締める感覚があれば尚良いですね。

腰に負荷をかけない意識や行動

腰に負担が掛かる場合は姿勢だけではなく負荷によっても変わってきます。

  • ・中腰姿勢
  • ・長時間の同じ姿勢(立つ・座る・寝方 など)
  • ・繰り返しの動作(階段の昇り降り・寝返り など)

妊娠中は特に色んな動作を行った結果いつの間にか同じ姿勢を取り続けていたり、繰り返し同じ動きをしている場合に腰に負荷がかかってきます。

できるだけ腰に負荷をかけないような意識や行動をする必要があります。

  • ・中腰の姿勢は止めて、足を前後に開くか片膝を床につけて物を持ち上げる
  • ・長時間同じ姿勢が続かないように、こまめに動かす
  • ・偏った体の使い方をしないよう行動する

疲れを感じた時は、少し休息して体力の回復に努めることも重要です。

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無理のない運動やストレッチをする

腰に痛みがある場合は無理をして行う必要はありませんが、妊娠中だけではなく痛みの予防として運動は効果的です。特に筋トレのような運動ではなく、有酸素運動がいいとされています。出産は特に体力も必要となってきますし、代謝が上がることで急な体重増加や様々なトラブルを回避することが出来ます。

妊娠中は一般的なストレッチとは異なる点があります。もし、運動やストレッチを現在行ってもいいのか不安な方は一度産婦人科の先生に相談するのもいいでしょう。

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骨盤ベルトやツボ押しでセルフケア

骨盤ベルトは骨盤まわりを安定させてくれるので、腰への負担を和らげて呉れます。ガードルやさらしなどもありますが、着用しやすく長期的に使用するものとして骨盤ベルトがいいでしょう。

妊娠中にツボを押してセルフケアを行うこともいいでしょう。その場合は「委中:いちゅう」と呼ばれるツボがおすすめです。

膝の中心にあるツボになるので、座った状態で片膝を曲げながら人差し指か中指を当ててお腹の方に向かって押すようにしてみて下さい。

また、妊娠初期の場合は押してはいけないツボもあるので知りたい方はこちらのブログを参考にしてくださいね。

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お風呂で腰を温める

入浴すると副交感神経と言われるリラックスする時に働く神経が活発となります。すると血管が広がり血流も良くなり筋肉もほぐしてくれます。

温度が熱すぎると逆に体も緊張しやすくなるので、38~40度くらいのぬるま湯がいいとされています。ただし、産婦人科の先生から切迫流産などの危険性から入浴を中止されたり、お腹の張りを感じている時は注意が必要です。

まとめ

妊娠中の腰痛は女性ホルモンによる影響と、お腹が大きくなることによってバランスが崩れることによって腰痛が起こります。

一番の理由は「腰に負担がかかっていること」なので、まずは腰痛を感じていなくても腰に負担をかけない為の生活を送れると理想的です。

もし、今回ご紹介した対策を試してもなかなか腰痛が改善しない場合は、自分一人ではどうにもならないことが考えられるので、一度診てもらうといいでしょう。