整骨院の保険のしくみと流れ|保険適用・適用外の違いとよくある質問

公開日:2019/10/30  最終更新日: 2019/11/08

「整骨院って各種保険適用と看板に書いてあって行ってみたら保険適用外と言われたけど何で?」
「保険組合から、怪しい紙が送られてきて悪いことをしているんじゃないかと不安になっている」

このブログではこのような悩みを抱えているあなたに向けて記事を書きました。

整骨院の保険のしくみ

整骨院の看板で良く見かけるのが「各種保険取り扱い」という文字です。でもいざ行ってみたら「保険が適用とならず自費で受けた」なんてこともあります。保険で受けられると思って行ったのに実は違ったなんてことがあったらガッカリしますよね?

そこで整骨院にかかる時に保険のしくみや適用範囲、さらに健康保険についてよくある質問についてまとめました。整骨院にかかる前に知っておくことで後々困ることも無くなってきます。

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整骨院で保険が適用となる範囲

整骨院では以下のような場合のみ適応となります。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 捻挫
  • 打撲
  • 挫傷(肉離れなど)

この5つのみになります。では1つずつ説明していきます。

骨折

骨折は骨が折れている状態ですが、組織が壊れた状態の事を指します。一部にヒビが入った、欠けた。凹んだという場合も骨折になります。

通常の骨折の場合は大きな外力が加わった場合に発生しますが、なかには骨密度が下がっていたり、一部が病気によって溶けていたりすると骨折に繋がることもあります。

また、スポーツなどで弱い力が持続的に繰り返し加わることで疲労骨折に繋がることもあります。

脱臼

脱臼は関節を構成している部分が正しい位置になく、周りの靭帯、軟骨、骨が傷ついている状態です。

通常は、骨と骨が向かい合って連結している状態ですが、何らかの外力が加わって脱臼を起こす場合や、病的な原因で脱臼を起こしてしまうこともあります。

「完全脱臼」「亜脱臼」と分類されますが、ほとんどの場合は正しい位置に戻しただけでは治らないことが多いです。場合によっては固定や手術が必要なこともあります。

捻挫

捻挫は関節の本来の動きの許容範囲を超えてしまった結果、患部の痛みや腫れ、発赤、熱感などを伴うものです。

関節や靭帯を傷めている状態で医学的に言うと、◯◯捻挫や◯◯靭帯損傷と痛めた部分の名前を入れて診断されることが多いです。

打撲

何かしらに体をぶつけたり、打たれたことによって骨ではなく軟部組織(靭帯や筋肉など)が傷ついてしまい内出血が起こります。

内出血が起こると血が固まって腫れを起こすことがあります。この1部の腫れによって神経や血管が圧迫されてしびれや感覚障害、運動障害、循環障害を引き起こす可能性も出てきます。

挫傷

挫傷も打撲などで起こることがありますが、ほとんどの場合は筋肉の挫傷(肉離れなど)のことを指します。骨に起こることもありますが、相手と接触するコンタクトスポーツや急激な動きをした際に起こることが多いです。

患部は激しい痛み、腫れ、内出血などによってパンパンに膨れ上がっていきます。痛みによって歩行障害や可動域の制限が出ることが多いです。

 

※骨折、脱臼に関して治療を継続する場合は医師の診断書が必要となります。簡単な応急処置は整骨院でも可能となるので、病院が休みではない限りは病院に行く方がいいでしょう。

整骨院で保険が適用外となる範囲

上記に説明した通り、5つ以外の場合は整骨院では健康保険が適用となりません。主に当てはまるものは以下のような場合です。

  • 日常生活内の仕事や家事による慢性症状
  • 原因不明の腰痛や肩こり
  • ケガが治った後のメンテナンス、予防
  • 交通事故の後遺症
  • 整形外科と同時に施術を受ける

このような場合は健康保険は適用になりません。

神経痛、リウマチ、ヘルニアと言ったものが当てはまりますが、簡単に説明すると慢性的な症状、原因のわからないもの、病院と併用して保険を使うことは出来ないという事です。

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整骨院で保険を使う流れ

整骨院で保険を使う場合には医療費のうちの「療養費」の扱いとなります。この療養費では、原則患者本人が窓口で全額を支払って個人で保険組合に申請して残りの割合負担が払い戻される(償還払い)のですが、整骨院では「受領委任払い」と呼ばれる協定を結んでいる為保険証を提示して病院と同じように一部負担で施術を受けることが出来るのです。

受領委任払いとは

基本的には償還払いですが、柔道整復師と保険者は代理請求をしてもいいという協定を結んでいます。症状が骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷のいずれかに当てはまって、患者さん自身が保険者に請求をするのではなく、代理に柔道整復師に請求を依頼するものです。

これは患者さん自身が決める事なので、整骨院に勤務している柔道整復師の方が決めることではありません。

患者さん自身が、償還払いがいい!と言えば整骨院側はその支払い方法に応じなければなりません。

整骨院の保険の流れ

整骨院で保険が認められる流れは以下のような流れが一般的です

  • 急なケガをした
  • いつ、どこで、何をして痛めたのかが明確
  • 柔道整復師が検査を行って適用・適用外を判断
  • 償還払いや受領委任払いの選択
  • 保健管理センターからの問い合わせ

この流れについて説明していきます。

急なケガをして整骨院に行く

急なケガとは保険が適用となる範囲のもの(骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷)です。この症状の場合に整骨院を受診します。

いつ、どこで、何をして痛めたのか?

多くの整骨院の場合は問診票に記載されている質問だと思うので、この部分を明確に書く必要があります。ケガではない場合や、仕事中のケガ、通勤中のケガ、整形外科で治療中の場合はこの時点で健康保険の適用とはなりません。

柔道整復師が検査を行って適用・適用外を判断

問診や検査によって痛めた原因と症状に繋がりがあるのかを判断します。この時に原因と症状に繋がりがあれば保険が適用範囲、無ければ保険適用外という説明をされます。

その為、来院直後に「保険証の提示」を求められることもありますが、必ずしも保険が適用となるとは言えないので注意が必要です。

償還払いや受領委任払いの選択

最後に償還払いか受領委任払いの選択を患者さん自身が行ないます。もしも償還払いの場合は、整骨院の窓口で10割負担してご自身で残りの割合負担を保険者に直接請求をします。

受領委任払いをお願いしたい場合は、支給申請用紙と呼ばれる書類にサインや捺印をします。

ココには自己負担額、受診回数、負傷原因・負傷名、施術内容などが印字されますが、本来であれば印字された物にサインをするのですが、月末に皆さんに貰うことが困難なため初回や月初に貰うケースがあります。

保健管理センターからの問い合わせ

柔道整復師の請求の中には、本来健康保険の対象とはならない施術の請求が一部の方に見受けられることがあります。

そこで、医療費を適正に使用しているのか確認する為に「回答書(照会状)」と言われる文書を書類やメールにて送られてきます。その中には施術日数、施術内容、負傷原因、一部負担金などを確認するものになります。

万が一整骨院と回答に食い違いがあった場合は、保険の適用はされずに患者さんが整骨院に対して適用外の金額を支払うことになります。

多くの場合は施術日から3ヶ月から数ヶ月後に送られてくることもあるので、忘れない為にも負傷原因や施術の内容、領収書などは残しておくようにしましょう。

整骨院の保険について多い質問

整骨院で保険のことについて多くある質問についてまとめてみました。

肩こりが酷くて整骨院に通っているのですが大丈夫でしょうか?

整骨院で健康保険を使用していない場合は通院可能です。しかし毎月支給申請用紙にサインや捺印をしている場合は、健康保険が使えないので全額自己負担になります。

骨折や脱臼をしたときは健康保険が適用内ですよね?

応急処置であれば健康保険の適用となります。しかし骨折や脱臼のリハビリ等で整骨院を利用する場合は医師の診断書または同意書が必要となります。

整骨院で保険が適用となる期間はありますか?

一概には言えませんが、多くのケガの場合は3ヶ月~6ヶ月で治癒すると言われているので原則3ヶ月から6ヶ月以内と思ってもらって間違いないでしょう。また、6ヶ月以上通っても改善しない場合は病気が隠れている可能性もあるので、病院で検査を受けてみるといいかもしれません。

整骨院で保険が使えなくなる時ってどんな時ですか?

日常からくる疲労の蓄積や慢性的な症状(神経痛、ヘルニア、腰痛など)は健康保険の適用とはなりません。また原因がわからず違和感が出ている場合。以前ケガしたところがまた痛くなった、病院と同じ個所を整骨院で施術を受けることは出来ません。もしどうしても施術を受けたい場合は自費施術となります。

整骨院でぎっくり腰や寝違えは保険が使えますか?

電話の問い合わせで多いのですが、症状だけでは判断できません。「いつ、どこで、何をして」を聞いたとしても実際に診てもいないので判断が出来ません。明らかな原因があれば適用となる場合もあるので一度受診してから確認してみて下さい。

整骨院で保険適用内の料金は?

健康保険を使用した金額は一律で決まっています。しかし電話の問い合わせで聞いても診てもいないので、ちゃんとしたお答えを出来ません。

目安をお伝えできると思いますが、もし健康保険が適用とならなかった場合は食い違いが起きるので、まずは診てもらうことを優先しましょう。

一覧表もありますが、行う施術や部位数によって異なりますので参考程度にご覧下さい。


引用元:全国柔整鍼灸共同組合 https://www.zenjukyo.gr.jp/madoguchiryokin/#i-2より

向こうの整骨院では保険が使えていたけど・・・

原則、ケガではない限り健康保険を使用しての施術は出来ません。これはすべての整骨院に言える事なので、国が定めているルールにのっとってしやっていることです。適用外のものを無理やりその場で使用したと思っても、適切に請求を掛けれなくなるので確認する必要があるでしょう。

健康保険について調査の紙が来たけど、悪い事してるのかしら?

調査の紙は、柔道整復師と保険者(保険組合、国民健康保険、共済組合、協会けんぽ)の代理請求をしている場合に、ちゃんと協定通り守られているのかを確認する為に行っています。

主に保険者が業務委託で調査を行うことが一般的です。

病院でも診てもらってるけど、整骨院で施術は受けられるの?

健康保険は使用できませんが、自費施術なら可能となります。整骨院は病院とは違うので、健康保険を使用出来たと窓口で思ったとしても病院側の請求は通り、整骨院の請求は却下されることが多いです。そのようの場合は後々負担額を整骨院に支払わなければなりません。

まとめ

看板に「各種保険取り扱い」となっていても、全てが適用となることではありません。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 捻挫
  • 打撲
  • 挫傷

骨折・脱臼に関しては応急処置は出来ますが、リハビリなどを行なう場合は医師の診断書か同意書が必要となります。

また、この5つに当てはまったとしても

  • いつ、どこで、何をして痛めたのか?
  • 柔道整復師が保険適用・適用外を判断

この2つをクリアして、支払いの選択をする流れになります。

当院は整体院なのでそもそも健康保険は使用できませんが、どこの整骨院でもルールは変わりません。通院する時は十分理解してからにしましょう。柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて

参考文献

日本整形外科学会 骨折

全国柔整鍼灸協同組合 整骨院の窓口料金の設定はどのように決めればいい?

厚生労働省 柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて