腰部脊柱管狭窄症でやってはいけないこと
『レントゲンやMRI検査で脊柱管狭窄症と診断されたけれど、日頃から気を付けておいた方がいいものがあるなら教えて欲しい』
『症状悪化に繋がる脊柱管狭窄症の特徴や注意点などが、もしあるなら事前に知っておきたい』
このブログでは、脊柱管狭窄症でやってはいけないことを知りたいあなたに向けてブログを書きました。
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、脊柱管と呼ばれる神経が通る背骨の中心にある管が何かしらの原因によって狭くなったり血管や神経を圧迫してしまう疾患になります。
多くの場合は、安静時に痛みや痺れを引き起こすことよりも、背筋を伸ばしながら歩いたり立ったりする時に腰から足にかけて痛みや痺れが出るので動作によって症状を引き起こすことが多いです。
また、脊柱管狭窄症では「歩いて→休んで」を繰り返すことにより長い距離が歩けなくなる間欠性跛行が特徴です。主に50代から徐々に患う方が増え始めて、年齢を重ねるごとに患う方も増えてきます。
最近では、65歳以上の方の4人に1人が、70歳以上では2人に1人が腰部脊柱管狭窄症になる可能性があるとも言われています。
脊柱管狭窄症の特徴
狭窄が起こりやすい部分は首と腰です。関節部分は本来前後・左右に倒す・左右に回すという6通りの動きが出来ることが理想ですが、首と腰は関節面が平面関節なので前後の動きは優れていても、左右に倒すことや左右に回すといった動作が苦手な部分になります。
首に狭窄が起これば「頚部脊柱管狭窄症」、腰に狭窄が起これば「腰部脊柱管狭窄症」となります。
よく脊柱管狭窄症の場合は病名と言われることが多いですが、病気であれば「病」と診断されたりするので、この場合は病名ではなく症状名の1つです。先天的な要因と後天的な要因で分けられ、先天的な構造の問題や後天的な脊柱管内の変性によって発症することが多いです。
頚部脊柱管狭窄症
頚椎の脊柱管が狭くなることによって、神経や血管が圧迫されることによって起こります。首だけではなく肩や腕、手などの痛みや痺れ、またはだるさなどが上半身に現れます。
腰部脊柱管狭窄症
腰椎の中を通る神経の通り道が狭くなり、神経や血管が圧迫されることによって起こります。腰だけではなく、腰の上部で起これば太ももの前や内側に、腰の下部で起これば、お尻や太ももの裏や外側、足先までに痛みや痺れなどの自覚症状が現れます。
脊柱管狭窄症のタイプ別症状について
脊柱管狭窄症の主な症状は、腰の痛み・足の痛みや痺れですが、神経や血管が圧迫される場所によっても症状が異なります。
神経棍型
脊髄の末端部分にある馬尾と呼ばれる左右に枝分かれした神経のもとになります。主に足の感覚や運動に関係しているのでお尻や足に痛みや痺れを感じるタイプです。
馬尾型
脊髄の末端にある馬尾と呼ばれる神経の束が圧迫されて症状が出るタイプです。両足痛みや痺れを強く感じます。
混合型
神経棍型と馬尾型の両方の特徴が現れます。
脊柱管狭窄症の主な原因は?
よく言われる原因は「加齢によるもの」が多いとされていますが、実は腰を使い過ぎてしまったことによって起こることが多いです。腰は安定を保つ関節でもあるので、動きに対しては優れていません。
腰が動いているように見えますが、それは股関節や背中が補うことによって腰が動いているように見えるので、背中や股関節の柔軟性が欠如することによって起こるケースが多いです。
また、脊柱管狭窄症は突然患うものでもありません。若い頃に腰に過度な負担をかけるような重労働やスポーツ、または長時間座っている方や長時間の前屈み姿勢が多い方は発症するケースも増えやすいです。
脊柱管狭窄症でやってはいけないこと7選
脊柱管狭窄症でやって吐けないことを7つまとめてみました。痛みや痺れで悩んでいる方は是非以下のことを参考にしてください。
やってはいけない【腰を反らす】ストレッチ
脊柱管狭窄症は、腰を反らす動作によって痛みや痺れの症状が悪化します。
色んなストレッチがある中で、腰を強く反らせるようなストレッチには十分に気をつけなければなりません。
また、ストレッチは痛みや痺れを取り除く目的で行うことよりも関節の可動域を広げるようなことが最大の目的になります。一般的なゆっくり筋肉を伸ばすようなストレッチ(スタティックストレッチ)は可動域が広がっても筋力発揮が低下することが分かっています。
オススメはラジオ体操のような動かしながらストレッチを行う(ダイナミックストレッチ)ことがオススメです。このストレッチでは、可動域も広がり筋力発揮も向上することが分かっています。
やってはいけないヨガ【弓のポーズ】
ヨガのポーズで代表的な弓のポーズは腰を強く反らすようなものになるので、避けるべきものです。本来腰は動いてはいけない部分になるので、腰を強く動かすようなものは、ヨガの専門家の意見を参考にしてください。
やってはいけない【無理な体勢が続く】運動
脊柱管狭窄症の場合は、歩いている時にお尻や足に痛みや痺れが起こることが特徴ですが、無理をしてウォーキングをすることはオススメしません。
確かにウォーキングは素晴らしい運動ではありますが、痛みや痺れを我慢して行う運動ではありません。また、股関節は体重の6割の負担を受けると言われているので、お尻や足に痛みを抱えた中で更に症状を悪化しかねません。
痛みや痺れが少なくなってきたタイミングに始めるか、水泳や自転車など直接的に痛みを起こすような要因を避けられる運動から選択するようにしましょう。
やってはいけない筋トレ
腰や背中の筋肉を鍛えるようなものは、神経の促通を悪化させることがあります。特に背中を反らすような動作が入るデッドリフトやスクワットなどは痛みや痺れを強くさせることもあるので、脊柱管狭窄症による痛みや痺れが無くなるまでは中止するようにしましょう。
薬物療法を頼りすぎてはいけない
神経性障害疼痛と呼ばれるものを対象としたもので、「リリカ」という薬を処方されることがありますが、プラシーボ効果と同等という研究結果も出ています。
また、あくまでも薬は治すということよりも止めるという意味合いが強いです。薬だけに頼るのではなく、薬と他の治療を両立させていき徐々に薬を減らせるようになってくると理想的かと思います。
似たような症状と間違えない
動脈硬化により血管が詰まり、血流障害を招く閉塞性動脈硬化症という病気が存在します。この閉塞性動脈硬化症でも脊柱管狭窄症と同様に間欠性跛行が起こりますが、前かがみで楽になったり、自転車に乗る時に症状が楽になることはありません。
似たような症状だとしても、治療方法は全く別物になるので、病院での検査や治療が必要となってきます。
脊柱管狭窄症の診断後に即手術
膀胱直腸障害と言われる排尿障害や排便障害が伴っている場合は手術が適用となります。しかし、手術を行なって構造的な問題を解決しても症状が残っているケースや再発するケースは少なくありません。
今現在何が原因で症状を引き起こしているのか?正しい診断と正しい治療の2つが重要となります。痛みや痺れの原因をハッキリさせて、手術後の再発リスクも考えつつ手術は検討した方がいいでしょう。
診断名が全てと思い込まない
病院でレントゲンやMRI画像を撮影して脊柱管狭窄症と診断されることもありますが、構造的な問題によって起こる可能性もありますが、神経が圧迫されて痛みや痺れが起こっているよりも血管が圧迫されて症状を引き起こしていることが考えられます。
つまり、構造的な診断名を言われたとしても、原因は診断とは異なり筋肉や関節の血流が悪くなっていることによって起こることが多いと言うことです。
ですから、脊柱管狭窄症と言われたからといって諦める必要もありません。正しい診断や正しい治療の2つの正しいことを行うことが必要です。
まとめ
脊柱管狭窄症は、日々の生活習慣の積み重ねによって起こってきます。様々な治療を受けてきても、改善できないのは何かしらの問題が残っているからです。
整体の場合は、構造的な問題は解決出来ませんが、機能的な問題による動作は解決出来ます。脊柱管狭窄症にお悩みの方は、一度ご相談ください。