【異常なし】腰痛にレントゲン撮影は意味があるのか?

公開日:2019/09/29  最終更新日: 2022/09/25

レントゲンで異常なし腰痛を抱えて、整形外科でレントゲン撮影をしたのに異常なしと言われた
レントゲン撮影で異常なしと言われたけれど、何で腰が痛いのか疑問に思っている

このブログは整形外科でレントゲン撮影を行ったにもかかわらず、腰痛を抱えているあなたの為に記事を書きました。

腰痛でレントゲン撮影をしたのに異常なし・・・

まず腰痛を抱えている方は、ほとんどのケースの場合整形外科(病院)を受診されるのではないでしょうか?整形外科で唯一行うことが出来る検査法の1つが「レントゲン撮影」です。医学的に言うと『単純レントゲン』と言います。

ですが、レントゲン撮影しても「異常がなし」と言われるケースは非常に多いです。

  • 何で腰が痛いのにレントゲンに写らないんだ
  • もしかして内臓の病気なんじゃないか?

このように不安になってしまうかもしれません。しかし、『異常がない』と言われても安心できるように正しい知識を持っておくと気分が落ち込むどころか晴れやかになるので、その部分をお伝えしていきます。

腰痛のレントゲン撮影で異常が見つかる疾患

レントゲンを撮影して異常が見つかる腰痛をまずは把握しておく必要がありますね。レントゲンで異常が見つかる腰痛は『特異的腰痛』と呼ばれます。簡単に言うと、レントゲン撮影で「原因が見つかる腰痛」ということです。この特異的腰痛の中には以下の疾患が当てはまります。

  • 椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症
  • 変形性腰椎症
  • 内臓疾患
  • 悪性腫瘍
  • 骨折

このようなものが当てはまります。この特異的腰痛は、全体の15%程度とされています。

腰痛のレントゲン撮影で異常がない疾患

上記で説明した通り、レントゲンを撮影して異常が見つかる腰痛は15%しかありません。と言うことは残りの85%は『異常なし』と言われます。そのような腰痛を『非特異的腰痛』と呼ばれるものになりますが、ほとんどのケースでは異常が無いと言われ、整形外科でも特定しにくい腰痛になります。このような場合は『腰痛症』という診断名になることが多いです。

レントゲンを撮影して異常が無いと言われるには理由があるのですが、『骨に異常なし』と言う意味なので、骨以外に原因が隠れているということです。レントゲンを撮影すると脊椎・背骨・内臓などに原因がないと分かるので、骨ではない部分が腰痛を引き起こしているということなのです。

じゃあ、腰が痛いときにレントゲン撮影をするのは意味ないのか?

レントゲンは『骨の異常』を見つけるために重要な検査となります。例えば命の危険性もあるような内臓疾患や悪性腫瘍(ガン)といったものや、骨折などの重篤な疾患を見つけることが出来る検査となります。ですから『急に腰が痛い』『徐々に腰が痛くなってきた』といった場合に『骨に異常がないのか?』を判断できる検査となるので重要なのです。

腰痛でレントゲン撮影をオススメする場合

整形外科では唯一レントゲン撮影を行える医療機関の1つです。レントゲン撮影は整体院や整骨院などの場所では行うことが出来ません。以下のような症状が自覚的にある場合は一度レントゲン撮影を行ってみましょう。

  • 腰に急激に痛みが出て動けないくらいのぎっくり腰
  • 長期間抱えている腰痛
  • 尻もちをついて腰に痛みが出た
  • 転んだ時に腰をぶつけた
  • じっとしていても腰が痛い

このような自覚症状があった場合には「骨に異常があるのか?ないのか?」を調べるためにも一度、整形外科(病院)でレントゲン検査を受けるようにしましょう。

腰痛のレントゲン撮影をして異常がなしとされた場合

レントゲン撮影で原因が特定できない腰痛は85%とされています。これは厚生労働省も認めている数字となるんです。病気やケガ以外に考えられる腰痛の原因は「筋肉」と「関節」に隠されていることがとても多いのです。

腰は骨盤と背骨で構成されていますが、その周りは靭帯と筋肉で支えられています。その腰の部分に疲労が蓄積されてくると次第に筋肉は硬くなってしまい、関節も固くなり正常な動きを出すことが出来なくなり腰痛を引き起こしてしまうのです。

関節部分が最初に硬くなるということはほとんどありません。最初は筋肉から傷ついてしまい関節を硬くさせてしまいます。レントゲンで異常が見つからなかった腰痛の場合は、「筋肉」と「関節」の部分をアプローチすることが重要となってきます。ストレッチや体操で筋肉や関節を動かすことも大切です。それでも改善しない場合には筋肉や関節の治療を得意としている整骨院や整体院に頼ることも1つです。

腰痛のレントゲン撮影で異常なし:まとめ

レントゲン撮影は意味のない検査ではなく重篤な疾患を見つけるための重要な検査です。しかし、必ずしも腰痛に対してレントゲン撮影を必要とするというわけではありません。もしレントゲンで異常が見つからなかった場合は命の危険性も無く、骨以外に原因があることを教えてくれているのです。

そのような場合には筋肉や関節部分に原因が隠れていることが非常に多くあります。ですからレントゲンで異常が写らなかった場合は筋肉や関節部分に異常があるのではないか?と疑ってみることも必要です。その時は整骨院や整体院が得意としている分野なので、筋肉と関節の検査もしてみましょう。

参考文献

腰痛の85%はX線に写らない? 知られざる首、腰、ひざのトラブル対処法
腰痛診療ガイドライン 第3章 診断