腰痛は何科に行く?病院に受診する7つのポイント解説
「腰を痛めたけれど、どこに行ったらいいのかわからない」
「腰痛は症状によって診てもらえる専門科が違うのかを知りたい」
このブログは腰痛を抱えていて、どこに行ったらいいのかわからないあなたの為に記事を書きました。
腰痛は何科に受診したらいいの?
答えから言いますと、ほとんどの腰痛は「整形外科」を受診するようにしましょう。
ただし全ての腰痛と言うわけではありません。
以下のような場合は「危険信号」と位置されているものになるので、一度整形外科にてレントゲンなどの検査を受けるようにした方がいいです。
中には妊娠中や内臓疾患と言った例外もあるので、チェックしていきましょう。
発症年齢
3ヶ月以上続く慢性腰痛がある場合には、20歳未満または55歳以上の中高年の方が対象となります。若い方の場合は何らかの病気、中高年以降の方では悪性腫瘍などを考える必要があります。
直近の外傷歴
腰の周りをケガしたり、手術後に腰痛が発症した場合は、ケガや手術の影響を考えなければなりません。
徐々に腰痛が酷くなってきた
徐々に時間が経過して腰痛が酷くなってきている場合には、病気が原因となり腰痛を悪化させている可能性があります。
悪性腫瘍(がん)の既往歴・治療歴がある
がんの再発や転移によって腰痛が起きることもあります。
長期のステロイド使用
長期間にわたってステロイドを使用している場合に、圧迫骨折を引き起こしやすくなり腰痛を引き起こすことがあります。
体調も悪い
腰痛も含めて体調が思わしくない場合は、病気の特定だけではなく腰痛以外の処置も重要となってきます。
体重減少
特に減量やダイエットをしていないにもかかわらず急激に体重が減っている場合には、悪性腫瘍(がん)などによる可能性も考えられます。
神経症状がある(特に腰から足にかけて・両足)
腰から足にかけて痛みやしびれといった神経症状(筋力低下・知覚障害)がある場合には、脊椎や神経の異常によって腰痛を引き起こしていることが考えられます。
膀胱直腸障害がある
腰の痛みに合併して排尿障害がある場合に、進行して尿が出ないという症状では、48時間以内に緊急手術を行わないと、神経が回復しないという研究結果も出ています。排尿障害は『前立腺肥大症』と間違えやすい為、詳しく調べる必要があります。
骨格に異常がある
先天的な異常や、骨折などの後天的な問題によって腰椎に異常がある可能性があります。気を付けをしてもまっすぐにならないことが特徴です。
発熱がある
感染症によって腰に炎症をきたしている可能性があります。
腰痛にプラスして以上のどれか1つでも当てはまるのであれば、整形外科に受診する必要があります。
腰痛になった時の整形外科のかかり方
整形外科では運動器の病気を扱う診療科なので、骨や関節・筋肉などの筋骨格系、神経系などの機能改善を中心に治療を行っていきます。整形外科の中には専門分野があり、腰痛の場合には「脊椎外科」を選ぶといいでしょう。
抱えている腰痛に対して医師が痛みや症状を聞いて話を基に診察を行っていきます。必要であれば、レントゲン撮影や血液検査を行います。稀なケースであればMRI検査を行いますが、初診時に行なうことはほとんどありません。
整形外科に掛かった場合には症状を正確に伝える必要があります。初診時に整形外科に掛かった時に伝えてもらいたいポイントは以下の通りです。
- いつから痛くなったのか?日付
- 痛みがでた原因やきっかけ
- 痛みが出ている場所や程度
- 痛みが強く出るときの動作
- 痛みはずっとあるのか?ないのか?
このような部分を正確に伝えるようにしましょう。もし、耳を傾けてくれない医師であれば別の病院がいいかもしれません。
腰痛を抱えたヘルニアは何科に行けばいい?
ヘルニアを疑われる場合に以下の3つの症状が出た場合は整形外科を受診するようにしましょう
- 腰からお尻、太もも裏、ふくらはぎ、すねまで広がる痛みやしびれ、咳やくしゃみによって痛みやしびれが強くなる
- 痛みやしびれに合わせて、足の感覚が鈍くなあったり、明らかに筋力が弱くなった感じがある
- 痛みやしびれに合わせて、尿や便が出ない・出にくいといった場合
特に3番の項目に当てはまった場合には膀胱直腸障害が疑われるので必ず整形外科を受診するようにしましょう。3の場合は整体や整骨院では治せません。
血尿が出てる腰痛は何科?
血尿があって腰痛を来す疾患は「腎腫瘍」と「前立腺がん」があります。血尿が見られた場合には「泌尿器科」を受診するようにしましょう。
腎腫瘍
腎臓の実質と言われる部分に出来る腫瘍のことで、ほとんどのケースは悪性腫瘍(ガン)です。主な症状は以下の3つです。
- 肉眼でも分かる血尿(約7割の方に見られる)
- 側腹部が腫れる
- 側腹部の痛み・腰痛
初診時はすべて揃っている方は非常に少なく、肉眼でも分かる血尿があって泌尿器科を受診される方が多いです。この腎腫瘍で血尿が出た場合の特徴は、『血尿期』と『休止期』が交互に現れるということです。ですから無症状でも肉眼でも分かる血尿が出た場合には泌尿器科を受診する必要があります。
前立腺がん
前立腺がんの症状は、前立腺肥大による排尿困難と血尿があります。特に症状が無い場合が多く、血液検査を行って偶然発見されるケースもあります。ガン年齢に達した方は検診を怠らないようにしましょう。
また、前立腺がんは骨転移も起こしやすい病気です。骨に転移した場合は腰痛を訴えることもあるので、早期に泌尿器科の受診をするようにしましょう。
産後の腰痛は何科を受診すればいい?
当院は産後の骨盤矯正を行っていますが、育児中はぎっくり腰を繰り返したり慢性的な腰痛を抱えているママさんも非常に多いです。そのような場合は「整形外科」か「整骨院」「整体院」のどれかに受診をするようにしましょう。
もしも整骨院や整体院で対応できないような腰痛の場合は整形外科の受診を勧めてくれるはずです。もし不安であれば、最初から整形外科を受診するようにして、落ち着いてきたら整骨院や整体院での治療を開始することもありです。
妊娠中の腰痛は何科に受診すればいい?
妊娠中は産婦人科に通院していることも多いと思いますが、湿布程度なら妊婦さんでも使える湿布を処方してくれることもあります。しかし産婦人科の先生は腰痛を専門としていないので適切ではありません。
妊娠中は赤ちゃんも居るので整形外科を受診したとしても「レントゲン撮影」が出来ない為、温めたりリハビリ程度のマッサージなどで終わってしまうのでこちらも適切ではありません。
妊婦さんにオススメは整骨院や整体院でマッサージや鍼灸治療を受けられる所が良いと思います。さらに産後の骨盤矯正を行っている治療院の場合は産前のケアも含めて行っている治療院もあるので、一度産婦人科の先生の許可を得てから受診してみてはいかがでしょうか?
下腹部痛がある腰痛は何科に行けばいい?
下腹部が痛くて腰痛を併発している場合は「尿管結石症」と「子宮・卵巣」に問題が起きていることが考えられます。
尿管結石症
尿管結石の場合で腰痛を併発している場合は、「泌尿器科」を受診する必要があります。女性よりも男性に多いとされて、再発率も高く遺伝性はないのですが親子で苦しまれる方も多いです。
背中(腰)の痛みでも左右の限局した痛みが特徴で下腹部に痛みが出ることもありますが、結石が大きい場合は無症状の場合もあります。逆に結石が小さい場合で尿管に引っかかった場合は激痛が襲います。
子宮・卵巣の婦人科疾患
女性の場合の下腹部痛は、急激な痛みに襲われる婦人科疾患の病気が多いので救急外来や外科を受診するといいです。我慢できない痛み、発熱、めまいなどの症状を抱えて居る場合は必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
また、以下の場合は婦人科をオススメします。
- 性器出血
- 腹部が腫れる
- 腹部にしこりがある
- 生理不順
- おりもの
また、食欲が低下していたり嘔吐、便秘は消化器科へ。排尿時の痛みや頻尿の場合は泌尿器科を受診するようにしましょう。
腰痛になったら整形外科か接骨院か?
腰痛の原因は筋肉や関節だけではなく、内臓系の病気や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症といった病気、悪性腫瘍によって腰痛を引き起こすことがあるので、整形外科をまずは受診するようにしましょう。整形外科で特に異常が見つからない場合は消炎鎮痛剤を利用しながら接骨院(整骨院)を補助的な役割で利用することも1つです。
整骨院はケガに対しては健康保険を使用して施術が出来ますが、整形外科を同じ症状で同じ期間に同時で整骨院を利用することは出来ません。もし利用する場合は自費治療となりますのでお気を付けください。また、慢性的な腰痛に対しても保険適用外となります。
まとめ
筋肉や関節が原因となる腰痛であれば整骨院や整体院でも対応が可能となります。しかし、腰痛の中にはレントゲンやMRI、CT、血液検査によって診断できる腰痛もあります。あなたが不安であればまずは、あなたの症状にあった専門科に受診するようにしましょう。