腰痛予防に腹筋は逆効果?酷くなる理由と適切な対処法
「腰痛を予防するために腹筋運動をしているけれど、腹筋をすると腰を痛めるよ!と聞いたので不安に感じている」
「正しい腹筋はどのようにしたらいいのかを探している」
このブログはこのような悩みを抱えているあなたの為に記事を書きました。
腹筋運動は腰痛予防に効果的?
腰痛診療ガイドラインには運動療法が推奨されていますが、「運動量や頻度については明らかになっておらず、運藤の種類によって効果の差は認められない」と記されています。
ただし、3カ月以上続く腰痛(慢性腰痛)に対して運動療法の有効性は認められています。
腰痛で一番認知されている筋トレが「腹筋」となりますが、「腹筋が少ないと腰痛の原因になる!」「腹筋をしたら腰痛が酷くなった」なんて意見も聞きます。
そこで、正しいトレーニング方法を学んでいただき、腰痛が酷くならない為の知識を知ってもらいたいと思います。
腹筋運動で腰痛が酷くなる理由
あなたはこのような腹筋を想像していませんか?
実はこのような腹筋運動は、効率的に鍛えるトレーニング方法とは言えません。
また、この腹筋運動は腰が痛くなったり首が痛くなるといった可能性が高くなります。
一般的に腹筋と言われると、お腹の中心部分にある「腹直筋」を想像されますが、この部分の筋力が少ない場合は勢いをつけて無理に腹筋運動をしようとします。そうすると腰が痛くなる可能性があるのです。
腰痛を防ぐなら多裂筋・腹横筋・腸腰筋がポイント
腹横筋は、骨盤と腰椎についている筋肉となりコルセットのように固定してくれるような役割を果たす筋肉になります。
骨盤周りを支えている筋肉になるので、身体の動かす初めの動作に使われる筋肉になります。
突如バランスを崩しそうになった時に、いち早く機能してくれて体幹部分をサポートしてくれる役割を果たす筋肉になります。
腹横筋同様に背骨を安定させて姿勢を保つ役割を果たす筋肉になります。
腸腰筋は大きく分けると3種類の筋肉に分かれます。
大腰筋
腹直筋よりも深い部分にあって、腰椎の横から太もも内側に伸びる筋肉です。深層部にある筋肉ですが、股関節を屈曲・外旋させる働きを持っています。
腸骨筋
骨盤の内側についている筋肉で、腸腰筋の中でも最も深層部にある筋肉です。大腰筋と同様で股関節の屈曲・外旋させる働きを持っています。
小腰筋
基本的には大腰筋の補助する働きがあります。この小腰筋は人口の約4割程度の人しか持っていないとされているので、大腰筋さえあれば問題ないとされています。
腸腰筋が弱い状態だと、姿勢に影響が出てくる可能性があります。
- 頭が前に出てアゴが突き出て、背中が丸くなる
- 自然な背骨のS字カーブが減少してまっすぐになる
このような場合は腸腰筋が弱くなっていることで起こることもあります。姿勢が悪い状態が続くと腰への負担も強くなり腰痛の原因にもなりかねません。また、骨盤内にある腸腰筋が弱い人が腹筋運動を無理に行った結果腰痛を引き起こしてしまうケースもあるのです。
どうして多裂筋・腹横筋・腸腰筋が腰痛の筋トレが必要なのか?
腰痛は、筋肉の蓄積疲労によって骨や関節に負担をかけてしまい、バランスが取れない状態になっています。背骨は本来24個の骨が連結して脊椎を作りますが、骨と骨の間には椎間板と呼ばれるクッションの役割を果たすコラーゲン繊維があり、筋肉や靭帯で覆われ支えられています。
本来の背骨は緩やかなS字カーブを保って負担を逃がしていますが、腰の部分はやや反り気味になっています。このS字カーブが強くなったり、弱くなったりすることで背骨がまっすぐになるだけではなく、腹筋や背筋の張力のバランスが崩れることで腰痛を引き起こす原因となるのです。
アウターマッスルと言われる外側の筋肉は、大きな力を発揮する時に必要とされる筋肉ですが、身体を持続的に支えるためには持久力に優れた筋肉の強さや張力が必要となってきます。その筋肉が「腹横筋」「多裂筋」「腸腰筋」となるのです。
腰痛にオススメ!腹筋トレーニング
腹横筋や多裂筋のトレーニングは関節を大きく動かすことがないので、初心者や腰が痛い方にオススメのトレーニングとなります。腸腰筋は股関節を動かす腹筋となるので、腰痛を予防する目的で行いましょう。
ドローイング
- 仰向けになって両膝を立てる
- 左右の下腹部に手を当てる
- 背中とお尻で出来た床と腰の隙間を無くすように押し付ける(お腹を凹ます)
この時にお腹が「キュッ」としている感じがあればOK
腹横筋の筋トレ
- 仰向けになって両膝を立てる
- 3~5秒間かけて息をゆっくり吸って、5~10秒間かけて最後まで息を吐き切るまで呼吸をする
- 息を吸う時はお腹を大きく膨らませて、息を吐く時にはお腹をすぼめるように呼吸する
これを5~10セット繰り返すように呼吸を繰り返します。腹横筋を鍛えることによって、体幹部分を安定さることが出来るので、コルセットと同様の役割を果たしてくれます。
ブランク
- うつ伏せの状態から腕を肩幅に開く
- 肘を90°に曲げて、左右の肘と手首が床から平行になるようにする
- 頭から足首が一直線になるようにキープする
- ゆっくり呼吸しながら30秒~1分間状態をキープする
この時に腰が反ったりお尻が突き出ないようにすることがポイントです。30秒でも辛い場合は短い秒数で行いなれてきたら秒数を伸ばししていきましょう。フォームが崩れてしまうとトレーニング効果が損なわれてしまうので、始めは両膝をついた状態で行っても大丈夫です。
ハンドニー
- 両手を肩幅に広げて床に膝を付ける
- 肩の真下に手を位置し、膝はお尻の真下になるようにする
- 背中が丸くならないように上げた手と反対側の足を後ろに伸ばす
- 片手と足が床と平行になるように伸ばす
- この状態を10秒間キープして左右を入れ替え3セット繰り返す
ブランク同様で、顎を引いたり上げたりしないことがポイントです。
エルボーアウトフット
- 片側の肘を床に当てて、横向きの姿勢をキープする
- 腕は方に対して一直線に保ち、頭から足にかけても一直線になるようにする
- この状態を10秒間キープして左右入れ替えて3セットを繰り返す
慣れてきたら・・・
片足を上げた状態で10秒間キープして左右を入れ替えて3セットずつ行う。
多裂筋のトレーニング
- 仰向けの姿勢で両膝を立てる
- ゆっくりと息を吐きながら、お尻を持ち上げて肩と腰がまっすぐになるように保つ
- 10~30秒間キープした状態でゆっくりとお尻を下ろす。
多裂筋とお尻まわりを鍛えるトレーニングとなります。まずは短い秒数から始めて徐々に慣れてから伸ばしていきましょう。お尻を持ち上げた時に腰が反らないようにすることがポイントです。
腸腰筋のトレーニング①
- 仰向けの状態で両足を伸ばして床につける
- 腰を支点にして、ゆっくり両膝を伸ばしながら上げていく
- ゆっくりと両足を揃えたまま下ろして10回を目安に繰り返す
腸腰筋のトレーニング②
- 立ったまま姿勢を真っ直ぐにキープする
- 片足を持ち上げた状態で3秒間キープ
- ゆっくり上げた足を戻して左右10回を目安に繰り返す
腰痛にならない為に腹筋運動をする筋トレの注意点
腰痛は原因が1つではないので、筋トレを行うことによって症状を悪化させてしまうケースもあるので十分注意が必要です。特に整形外科などの病院で検査を行った結果「椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」といった病気が発見された場合は医師の指示のもと行うようにしましょう。
筋トレはしっかりとしたフォームで行なわないと、筋力が付くどころか腰痛を悪化させてしまう場合も考えられますので、秒数やセット数を多くこなすのではなく、まずはフォームを固めるところから始めてみましょう。レントゲンやMRIを撮影して「腰痛症」という診断が下されている場合には、この筋トレが効果的です。
腰痛を防ぐ為に筋トレをする場合
症状が無い場合はや予防として用いてもらうと効果的です。しかし今現在腰痛を抱えているのであれば場合によっては腰痛を悪化させてしまう原因にもなりかねません。まずは整形外科のような病院でレントゲンやMRI検査を受けるようにしましょう。骨に異常が診られなかった場合には、筋トレが腰痛に効果的な物となるでしょう。
まとめ
運動習慣が無い人は、少ない種目でもいいので、しっかりフォームを固める目的で行なってみましょう。徐々に慣れてきたらセット数や種目を増やす事をオススメします。
このような運動は腰痛予防に対して非常に効果を発揮してくれるものになるので、継続的に行えるものを試してみましょう。
一度に多くの種目をこなすよりも、継続することが大切と言われています。
もし筋トレをしても良くならない場合は、一人で悩まずに一度相談してみましょう。