MRI検査で椎間板が黒く写るのは何かの異常なのか?
「レントゲンを撮影しても異常が見つからなく、しばらくしてMRIを撮影したけれど椎間板が黒くなっていたが、確定診断に至らなかった」
「色々な検査や治療をしても良くならないので、途方に暮れている」
このブログでは、このような悩みを抱えているあなたの為に記事を書きました。
腰痛はMRI検査でも分からない?
腰痛は3カ月以上続く腰痛の事を「慢性腰痛」と言いますが、腰に異常が見られなくても腰痛が続く場合と、腰の異常が治ったはずなのに腰の痛みが治らない場合の2パターンが考えられます。
この中には、痛みを繰り返している腰痛も含まれますが、症状や程度は個人差があり、中には動けないくらいの激痛を引き起こすものもあります。MRIは通常レントゲンを撮影して治療を続けていても良くならない場合に行なうことが多いですが、MRIでは検査の最終手段なのでしょうか?
MRIで分かる腰痛の種類
MRIでは、レントゲンではわからなかった「脊椎疾患」「関節疾患」「筋肉内疾患」「腫瘍疾患」などを発見することが得意とされています。腰部に関しては以下のことがわかります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
この2つはMRI撮影によってほぼ確実に診断が可能となります。しかし、痛みやしびれを全く出さなく、治療の必要性が無いものも含まれます。ですから、症状を出しているヘルニアや脊柱管狭窄症と、症状が出ていないものを見分けることは困難です。
MRI検査は必ずしも腰痛に必要なのか?
MRI検査は「神経症状を合併している場合」は有用であるとされています。レントゲン撮影同様に以下のような方で神経症状が出ている場合は必要となります。
- 発症20才以下または55才以上
- 時間や活動性に関係のない腰痛
- 胸部痛
- がん、ステロイド治療、エイズ(HIV)感染の既往歴
- 栄養不良
- 体重減少
- 広範囲に及ぶ神経症状(下肢のしびれや痛み、筋力低下、膀胱直腸障害などの異常)
- 構築性脊柱変形(本人が気を付けてもまっすぐにならない状態)
- 発熱
これらは腰痛診療ガイドラインの中でも腰痛の危険信号とされていて、神経症状とここに含まれる9項目の1つが当てはまった場合にはMRI検査を推奨されています。
MRI検査をしても腰に異常が見られない・・・
MRI撮影では、このように脊柱管が写されるMRIが撮影されます。
しかし、この画像の場合は異常が見られません。椎間板ヘルニアの場合は黒い部分が神経に向かって飛び出してしまい、神経を圧迫しているものになります。
脊柱管狭窄症であれば、脊柱管がくびれて神経を圧迫しているものになるんです。
しかし、1番上の画像は異常がほとんど見られないんです。このような場合は画像上では「異常なし」と言われてしまうのです。でも腰痛が起きているのです。
MRIではわからない腰痛はストレスが関係している?
3カ月以上も続いている腰痛の場合はストレスが関係していることが分かっています。ストレスは胃の痛みや頭痛が知られているかもしれませんが、腰痛もストレスで起こっていることがあるんです。
腰痛が起きる身体的ストレス
痛みの信号は脳に伝わり、脳からドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が出されます。そして脳内で「μオピオイド」と呼ばれる物質が大量に放出されます。
結果、他の神経伝達物質でもある「セロトニン」「ノルアドレナリン」が放出されて、痛みを伝える信号の通り道を遮断します。このことによって、腰の痛みが気にならなくなったり、我慢できるようになるのです。
しかし
- 腰痛の治療をしているけれど一向に良くならない
- 3ヶ月以上腰痛治療を続けているけど、なんだか不安
- もう私の腰痛は良くならないんじゃないか・・・
など長期間不安を感じていると、脳でドーパミンが放出されなくなってしまうので、痛みを感じやすくなったり強く痛みを感じるようになってしまうのです。
ストレスは腰痛にも関係する血管にも影響が出る
ストレスは血液や血管にダメージを与えます。血糖値とコレステロールの数値を上げるだけではなく、血栓と呼ばれる血の塊ができやすくなるので、動脈硬化を引き起こす原因にもつながります。
血圧も上昇させるので、血管内の壁に傷がついたり硬くなることによって血流を悪くしてしまいます。家庭や職場内のストレスを解消できないでいると、血液の状態を回復できずに慢性的な腰痛に繋がることもあります。
まとめ
MRI検査を行ってもわからない腰痛はあります。もちろん筋肉や関節が原因となる腰痛もありますが、長期的に腰痛が続いている場合にはストレスが関係している可能性も非常に高くなります。
脳へ伝える信号を整えることで、慢性的な腰痛を解消することも出来るので、リラックス出来るような環境や身体づくりが必要です。リラックスさせる目的で整体や鍼灸を用いて改善されている方もいるので、試してみてはいかがでしょうか?
参考文献