産後に起こる膝の痛みはどう治す?原因と対処法について解説
『妊娠中には膝の痛みはなかったのに、出産後に急に膝の痛みが出てきたのは何故なのか疑問に思っている…』
『産後に起きた膝痛は何が原因で、どうしたらいいのかを調べている』
このブログでは、産後に起きた膝の痛みで悩んでいるあなたに向けて記事を書きました。
産後に膝の痛みが出る原因は?
妊娠中から膝の痛みを訴える方もいますが、産後に膝の痛みを感じるママさんは非常に多くいます。その原因として考えられることは、
- 女性ホルモンによる筋・関節の負担増
- 関節の柔軟性低下
- O脚・X脚
などが挙げられます。
女性ホルモンによる筋・関節の負担増
出産をするために、リラキシンと呼ばれる女性ホルモンが分泌されます。このリラキシンは、骨盤周りの筋肉や関節を緩める作用があるので、出産をしやすい状況にさせます。しかし、妊娠後期から出産後にホルモン分泌の影響により骨盤周りの支えが弱くなっていることによって、筋肉や関節への負担が増加してしまします。
その為、骨盤周りで支えられなかった負担が膝や足などに加わることで膝の痛みに繋がることが考えられます。
関節の柔軟性低下
人間の身体は、『動かすことが得意な関節』と『安定を保つことが得意な関節』の2種類があります。下半身で言えば股関節や足指の関節は動かすことが得意ですが、腰や膝は安定を保つことが得意な関節です。これらが逆転してしまうことによって膝の痛みに繋がることがあります。
特に産後の場合は、股関節で負担を支えることが出来ずに、動かすことが苦手になってきます。使いにくくなってくることで、お尻が垂れたり大きくなる印象を持たれる方がいますが、これらは関節の柔軟性が低下した結果、十分に筋肉を使えない状況になっていることが考えられます。
O脚・X脚
女性で多い悩みの1つがO脚やX脚ですが、普段から「女性座り」などによる太ももの骨が内側に捻られるような身体の使い方をしている方が多いので、男性には少なく女性に多くなります。
O脚もX脚も、股関節から太ももの骨(大腿骨)までは同じで、膝から内側に足が流れる場合はO脚、外側に足が流れる場合はX脚となります。これらはお尻の筋肉を使うことが出来ずに起こる悩みなので、大きな部分で負担を受けられずに、膝へ負担をかけてしまうことが考えられます。
腰からくる膝の痛み
妊娠中からお腹の大きさを支える為に、お尻が上手く使えない場合は腰を反らして母体を支えようとします。その結果、腰痛になるママさんも多いですが実はこの時期から膝に関係する神経や血管に問題を起こしやすくなってきます。
腰から出る神経は膝周りの神経と繋がりが深くあります。膝の前や内側を通る神経は「大腿神経」と呼ばれ腰の上の方から膝の前・内側まで走行しています。
膝の外や裏側を通る神経は「坐骨神経」と呼ばれ腰の下の方から膝の外や裏側まで走行しています。
このように腰と膝は密接な関係があるため、産後に腰痛を抱えている場合は膝痛に繋がりやすくなることが考えられます。
膠原病による膝の痛み
非常に稀なケースではありますが、膠原病によって膝の痛みを引き起こす場合があります。膠原病は血管、皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる総称です。原因不明の発熱や関節の痛みが見られ、リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)など数種類の病気が含まれるものです。比較的若い女性に多いので、原因不明の発熱と関節痛が起きた場合は、まずは病院を受診することが先決かと思います。
産後の膝の痛みはどう治す?
産後に膝の痛みが出た場合に、一番気になることが治すことですよね?
- 整形外科を受診し検査を受ける
- 整骨院や整体院で筋肉や関節の施術を受ける
- セルフケアを行う
この3つのポイントについて解説します。
1.整形外科を受診し、検査を受ける
産後に膝の痛みを訴えた場合は、必ず1回は整形外科を受診するようにしましょう。何故なら整形外科では画像検査と投薬治療の2つが唯一行える機関だからです。
整形外科を利用する場合は、検査目的で行くようにしましょう。
万が一、膝の痛みが病気によるものだった…ということも考えられるので、必ず整形外科を受診するようにしましょう。
検査の結果、「骨に異常がない」「病気ではない」「命に関わるものではない」という場合は、次のステップに進んでください。
2.整骨院や整体院で筋肉や関節の施術を受ける
骨に異常がなかったり、病気ではない場合は筋肉や関節の施術を受けることで膝の痛みが解消されるケースが非常に多くあります。
整骨院や整体院では、筋肉や関節の施術を得意としている施設が多いので、膝の痛みの専門家に相談するようにしましょう。
また、施術に関しては筋肉や関節を緩めるだけではなく、使えなくなっている関節や筋肉を使うことも重要になってきます。
3.セルフケアを行う
膝の痛みのほとんどが、急なケガによるものでなければ日常生活の負担の蓄積によって起こるものです。
そんな中で、セルフケアの代表格がストレッチになりますが、当院ではあまりオススメしません。
何故なら、ストレッチをする習慣がない方の場合は継続することが困難だからです。また、ストレッチは様々な種類が存在する為、「ストレッチで良くならなかった…」という心理状態から膝の痛みを悪化させる要因にも繋がるからです。
ですが、ストレッチをやらない場合は「ラジオ体操」を行ってください。特に苦手な動きに関しては動かしてあげることが重要となってきます。股関節や足指を動かすことが重要となってきますので、2つの関節を動かすことを意識してみてください。
またセルフマッサージで解消したい方や、ストレッチ・体操習慣がある方に関しては動画でご紹介しています。
膝のお皿のセルフマッサージ
膝の内側が痛い方用
カエルストレッチ
太もも前のストレッチ
まとめ
産後の身体は膝の痛みだけではなく、様々な身体の不調が起こりやすい時期でもあります。育児や家事による疲労、筋肉や関節の柔軟性低下やホルモン分泌の影響などが合わさることで、膝の痛みに繋がることがあります。
まずは原因を追究することが先決なので、整形外科を受診し検査を行い、問題が無ければ筋肉や関節の施術を受ける為に整骨院や整体院で膝の痛みに詳しい専門家に相談してみてください。