ぎっくり腰は安静が正しい対処法なのか?ポイント解説

公開日:2019/10/05  最終更新日: 2022/09/25


「ぎっくり腰になってしまって、今現在仕事を休んで横になっている」
「過去にぎっくり腰になった経験があって、安静にしていたけどホントに合っていたのか確かめたい」

このブログではぎっくり腰の対処法について知りたいあなただけに向けて記事を書きました。

ぎっくり腰で安静にしてても痛い

ぎっくり腰は疲労の蓄積によって起こるものなので、身体の疲れがピークに達すると起こることが多くあります。ぎっくり腰になってしまうと、仕事や私生活まで大きな支障をきたしてしまいます。

「明日は大事な接待のゴルフなのに…」

なんて大事な用事がある時に腰の痛みが鋭いと、痛みで動けなくなってしまうんじゃないかと不安になると思います。

そこで、今回はぎっくり腰になってしまった場合の正しい対策をこの記事で知ることが出来るのでお伝えしていきます。

ぎっくり腰の正しい対処法は…動かす!

ぎっくり腰になるとついつい横になって休んでしまう(安静姿勢)と思いますが、実は痛みを長引かせてしまうことがわかっています。

理由としては、安静にすることで常に同じ部分の筋肉が圧迫されて硬さが強くなってしまうからです。ぎっくり腰は筋肉が過度に縮む(緊張する)事によって起こりますが同時に血流も悪くなってしまうので、安静にすることで悪化する手助けをしてしまうのです。

その為、最近ではぎっくり腰の正しい対処法は安静ではなく、「動かす」ことが推奨されています。

無理やり動かすのではなく、出来るだけ普通に過ごす

動かすことが推奨されていますが、「無理やり動かせ!」というわけではありません。痛みの強さに合わせて、徐々に身体を動かすことで安静にしているよりも、早期に日常生活へ復帰する可能性を秘めています。

筋肉の柔らかさや血流も良くなって、痛みが軽快しやすくなっているのです。

また、動かすことによって慢性的な腰痛を未然に防ぐことが出来ます。さらにぎっくり腰を再発させる可能性を下げてくれるという研究結果も出ています。

従来のぎっくり腰の情報では、「安静」を推奨されていました。痛みが強いなら無理して動かさないで身体を休めた方が回復が早いであろうという理由からです。

しかし、現在ぎっくり腰で「安静」というのは推奨できないことがわかりつつあります。ぎっくり腰の場合は少しずつ身体を動かすことで、多くのメリットを手に入れられる可能性があるのです。

今日から出来る!ぎっくり腰の具体的な対処法

動かすことが大事と言いましたが、痛みが強くならない程度に動かして日常生活を普段通りに近い状態で送ることがポイントです。

少しでも動かすことで筋肉の柔軟性を引き出し血流を良くすることに繋がります。ぎっくり腰になって安静を保つとしても発症から2日間(48時間以内)までです。3日目からは安静を続けてしまうと、メリットよりもデメリットが多くなります。

また、ぎっくり腰の場合は過度の負担が腰に蓄積した結果によるものなので、腰の負担をかからないような姿勢を保つ事で痛みが早く治まる可能性もあります。

痛みが徐々に引いてくると共に、少しずつ動かす範囲を増やしましょう。

事実!ぎっくり腰は温めるといい!

ぎっくり腰発症後4日目以降経過している場合は、患部を温めることで回復を早めてくれるという報告がされています。これは、血流が滞っていた部分が温めることによって血の巡りが良くなるためです。

冷やす・温めるで迷う方も多いおいですが、「ぎっくり腰で冷やして楽になった!」というちゃんとしたデータは出ていません。

ですから、ぎっくり腰になった場合の4日目以降は出来れば湯船に浸かって温めることで回復を早めてくれる可能性があります。

補足ですが、発症から3日目までは念のため患部を温めずにシャワー程度にしましょう。

ぎっくり腰の時に湿布やコルセットは効果的?

多くの方がぎっくり腰になった場合に用いるコルセットや湿布ですが、実ははっきりとした効果が認められていないのが現状です。そのため、コルセットで固定をしたり、湿布を貼ったからといってぎっくり腰が早期に回復するとは言えません。

しかし、コルセットは機能的な制限をしてくれることや不安感を取り除くことで、痛みを早く引かしてくれる可能性があるので試してみるのもいいでしょう。

コルセットの付け方は動画をご覧になってください。

湿布に関してですが、薬剤が含まれているので効果的かと思われる方も多いと思いますが飲み薬と比べるとぎっくり腰に対する効果ははっきりとしたことがわかっていません。

確かに効果が確認できたものもありますが、ごくわずかのようです。

効果があまりないぎっくり腰の対処法

先程も述べたように「安静」も効果があまりないことがわかっていますが、それ以外に「腰の牽引」と「積極的な運動」はぎっくり腰に対して効果があまりないことがわかっています。

この2つの対処法を行っても悪化する事はないですが、現状では効果はあまり認められていません。

腰の牽引

整形外科などでよく行われる治療法の1つとなっていますが、ぎっくり腰の場合に腰の牽引を受けたとしても、満足できる結果に繋がらない可能性の方が高いと言えます。

痛みがすぐに引くわけでもないという報告が多いので、積極的に取りいれたとしても筋肉の柔軟性が出たり、関節の動きが特別良くなるわけではないことが考えられます。

積極的な運動

先程も述べたように、いつものような日常生活を過ごす事で痛みが早く引く可能性はありますが、積極的な運動を取りいれたからと言ってぎっくり腰の回復が早くなるわけではありません。

ぎっくり腰の場合に必要な対処法は、積極的な運動よりも日常生活内の動きを継続的に行うことが良いと言えます。

まとめ

ぎっくり腰になった場合には安静ではなく、日常と変わらない動作をすることが重要です。日常生活を送る中で自然と筋肉が柔らかくなり、関節周りの柔軟性も出やすくなるので結果的に回復を早めてくれるという研究結果も出ています。

またぎっくり腰を発症後4日目からは患部を温めることも回復を早めてくれる1つの手段です。ぎっくり腰の場合はコルセットや湿布を使用して、腰の牽引の治療や積極的な運動を取り入れやすいですが、はっきりとした効果が認められていないのが現状なので、取り入れる際には注意が必要です。

あなたのぎっくり腰がいち早く回復されるようにと思いこの記事を書きました。

参考文献

腰痛診療ガイドライン2012 第4章 治療