膝の痛みはマッサージで治るのか?現役指圧マッサージ師が徹底解説
「膝の痛みを抱えているので、指圧やマッサージで良くなるものなのかを調べている」
「膝の痛みに効果的なセルフマッサージもあれば、教えて欲しい」
このブログでは、このようなお悩みを抱えているあなたに向けて記事を書きました。
膝の痛みはマッサージで治るの?
膝の痛みで悩まれている方の中で、様々な治療方法を試したけれど改善しない。または、膝の痛みを抱えてから、まだ治療もあまり受けたことがないなど様々な方がいると思います。
そのような中で「膝の痛みにマッサージで対応できるのか?」という疑問を持っている方も少なくないはずです。
答えから言いますが、「病気やケガではない限り、マッサージによって膝の痛みを軽減・または解消させることは可能」です。
膝痛の分類
膝の痛みが起きる原因は、大きく分けて「病気・ケガ・組織の損傷(慢性痛)」3つの分類が出来ます。
病気
原因がハッキリと分かっておらず、30~40代の女性に多く見られる関節リウマチが当てはまります。関節に炎症を起こし、関節の変形や腫れを引き起こす病気です。
この関節リウマチは膝だけではなく全身に症状が出る病気です。初期症状としては、全身の倦怠感、食欲不振、熱っぽい、起床時に関節のこわばり等の症状が出ます。
症状が進行してくると、腫れだけではなく全身に症状が広がり、膝に水が溜まる、軟骨破壊などによって関節が動かせない等、日常生活にも支障が出る程歩くことが困難になってしまう場合があります。
ケガ
特に膝のケガは、コンタクトスポーツ(ラグビーやサッカー)やランニング時、跳躍競技(バスケット・バレーボール)に多く見られます。その中で多く見られるケガが、靭帯損傷と半月板損傷です。
膝関節は4つの靭帯で構成されています。
- 前十字靭帯
- 内側側副靭帯
- 外側側副靭帯
- 後十字靭帯
靭帯を損傷した場合、修復は不可能なので損傷具合によっては手術が検討される場合もありますが、微細な損傷程度であれば周囲の筋肉を鍛えて支えるようなことで補うことも可能です。
半月板損傷は、膝の関節に半月状の形をしたクッションがあります。それが半月板です。この半月板は太ももの骨(大腿骨)を安定させることや、衝撃吸収の役割があります。この半月板が傷ついたり、強い外力によって破壊されたりすることによって損傷することがあります。
また、半月板は血液循環が無い組織なので痛みを感じることはありません。半月板の損傷によって周辺組織の骨膜という部分に刺激が加わることで膝の痛みを引き起こすことが多いです。
他にはジャンパー膝やランナー膝、オスグッド(成長痛)などがあります。
組織の損傷(慢性痛)
一番有名な膝痛でもある変形性膝関節症があります。レントゲンを撮影して診断されることが多いですが、ほとんどの場合は構造と症状を照らし合わせて総合的な判断で「変形性膝関節症」と診断されます。
歩き出しや動き出しに膝に痛みが出始め、徐々に階段昇降時や歩行痛、正座が出来ないなどの症状が現れ始めます。
変形性膝関節症の場合、膝が変形することによって様々な症状を引き起こすと考えられていますが、多くの場合は機能の低下によって症状をきたしています。人間は使わない部分には酸素(血液)は送られません。
変形する理由として挙げられる点は、圧力が加わったため起こってきます。特に膝は圧力を受けることが苦手な関節でもある為、周辺の関節でもある股関節や足首などの柔軟性が低下したことによって圧力が強くなることがあります。
また、手術が適応となるケースは非常に稀なことですし「変形性膝関節症」の字のごとく”症”という字を使っている為、病気ではなく症状と言えると思います。
膝痛への指圧マッサージ
病気やケガについては、マッサージは有効ではありませんが機能を回復していく段階(リハビリ)については有効な手段の1っと言えます。
膝関節は「大腿骨・膝蓋骨・脛骨」と3つの骨から構成されています。この骨に付いている筋肉。股関節や足首を含めた関節。背中や腰から膝に通る神経の3つをアプローチすることが重要です。
筋肉
膝周りの筋肉は、太ももの前を通っている大腿四頭筋の大腿直筋は太ももの骨の前側に付いていますが、ほとんどの筋肉は太ももの骨の裏側から前面に付いてきます。
その為、前側や内側、外側をマッサージすることも必要ですが、特に裏側を行うようにすることが必要です。
関節
関節は2層構造になっています。外側が繊維輪(せんいりん)、内側が滑膜(かつまく)となっていますが、繊維輪に血液循環が出来ると滑膜に栄養(酸素)が送られ関節内に潤滑液が出ます。ですから関節を動かすことが必要です。
加重時に膝痛が出る場合は、仰向けや横向きで膝の屈伸運動を取り入れたり、膝関節の負担を減らすように股関節や足首の柔軟性を向上させていくことが必要です。
神経
膝周りの神経は背中や腰から出ている神経となります。背中の下から腰の上の間から出る大腿神経(だいたいしんけい)は太ももの前や内側に関係してきます。腰の下から出る坐骨神経(ざこつしんけい)は、膝の裏や外側に関係してきます。
膝の痛みが出る場所によっても関係してくる神経は変わってきますので、膝の周りだけではなく背中や腰のアプローチも必要となってきます。
膝痛のセルフマッサージ
セルフマッサージは無理なく、ある程度何処でも出来るものがいいと思います。ここからは動画でお伝えしますので、セルフケアのマッサージで有効的なものを2つご紹介します。
まとめ
膝の痛みは病気の可能性もあるので、まずは整形外科を受診して適切な検査や処置を受けるようにしてください。病気やケガではない場合、マッサージも有効な手段の1つとなりますので、セルフケアで改善したい方はセルフケアを。自分ではどうにもできないという場合は、近くにある整骨院や整体院で筋肉・関節・神経の3つのアプローチを受けるようにしてみてください。
